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2021.04.08研究成果

弱い光に耐える植物の葉緑体はときおり当たる強光にも耐えられる

発表者

寺島 一郎(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 教授)
松尾 光敏(研究当時:東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 修士課程2年生)
鈴木 祥弘(神奈川大学理学部生物科学科 准教授)
矢守  航(東京大学大学院農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構 准教授)
河野  優(東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻 特任助教)


発表のポイント

  • 薄暗い環境に耐える耐陰性植物のクワズイモの葉緑体は、ときおり当たる強光にも傷つき にくく、しかも、弱光で栽培した植物の葉緑体ほど耐性が高いことがわかりました。
  • 定常的な強光には、強光で栽培した植物の葉緑体ほど耐性がありますが、木漏れ日が射し 込む林の中のように光の強さが変動する場合には、逆に、弱い光で栽培する方が耐性が高まるのです。
  • 強光による光合成器官の傷害(光阻害)は、植物の生産力を低下させる大きな要因の一つです。本研究の知見は、自然光条件下における強光傷害耐性植物の創出のための基盤とな るでしょう。

 

詳細は 東京大学大学院農学生命科学研究科プレスリリース をご覧ください。

 

発表誌情報

雑誌名
Photosynthesis Research
論文タイトル
Photosystem I in low light-grown leaves of Alocasia odora, a shade-tolerant plant, is resistant to fluctuating light-induced photoinhibition
著者
Ichiro Terashima*, Mitsutoshi Matsuo, Yoshihiro Suzuki, Wataru Yamori, Masaru Kono*
DOI番号
https://doi.org/10.1007/s11120-021-00832-4