東大ハス見本園
東大ハス見本園
東京大学の観賞用ハス園
田無キャンパス・生態調和農学機構の教育研究施設です
屈指のコレクション
育成した種を含む300種以上を展示・保存しています
開花時期に一般公開
今年度は7月27日に観蓮会を開催しました
育成登録品種
緑地美人 ― RYOKUCHIBIJIN
東京大学の名称で品種登録された 最初* の植物
生態調和農学機構の前身の一つである緑地植物実験所で育成され、生態調和農学機構が発足した2010(平成22)年に出願し、翌2011年に品種登録されました。ˋ琴台歌手ˊ に ˋアメリカ黄蓮ˊ を交配し、選抜した品種です。花の色は、咲き始めは黄色味がかった紅色で、徐々に紅色が薄くなり爪紅状に変化します。早咲きの品種で、6月上旬から8月中旬までたくさんの花を咲かせます。草丈が比較的小さく、鉢植えでもよく咲きます。
<主な特性>
- 葉の大きさ:30~49㎝
- 葉柄長:25~49㎝
- 花の大きさ:中
- 花弁の地色:淡黄
- 花弁のアントシアニンの濃淡:淡
- 花弁のアントシアニンの分布:全面
- 花弁の形:中
- 花弁先端の形:丸
- 完全花弁数:15~24枚
- 雄ずいの数:100~199
*)東京大学で育成され、個人名で品種登録されている他の植物があります。
月のほほえみ ― TSUKINOHOHOEMI
東京大学名での品種登録第2号
緑地美人と同様に旧緑地植物実験所で育成され、生態調和農学機構が発足した2010(平成22)年に出願し、7年かかってようやく2016(平成28)年に品種登録されました。ˋアメリカ黄蓮ˊ に ˋ大灑錦(タイサイキン)ˊ を交配し、選抜した品種です。花びらがクリーム色で、比較的大きな花を高い位置につけるのが特徴の早咲きの品種です。花の色が穏やかな月の光のようであることが名の由来です。
<主な特性>
- 葉の大きさ:30~49㎝
- 葉柄長:25~49㎝
- 花の大きさ:中
- 花弁の地色:淡黄
- 花弁のアントシアニンの有無:無
- 花弁の形:中
- 花弁先端の形:やや丸
- 完全花弁数:15~24枚
- 雄ずいの数:100~199
- 葉柄のとげ:少
大賀蓮 ˋ大賀蓮ˊ は、1951(昭和26)年に大賀一郎博士を中心に、千葉市旧検見川町にあった東京大学厚生農場(現 検見川総合運動場)の地下の青泥層より発掘したハスの果実(種子)を発芽・開花させて得られた系統です。発掘された果実は、2000年以上も地下にあったと推定され、古代蓮と称されています。また、植物の生命力の象徴ともみなされて、発掘から半世紀以上を経た今日においてもなお人気を博し、全国各地で栽培されています。ちなみに、発掘されたハスの果実は3粒(最初の1粒を見つけたのは発掘に協力していた千葉市立第七中学校(現 花園中学校)の女子生徒)のうち生育したのは1粒だけだったようです。 |
東京大学と観賞用ハス ˋ大賀蓮ˊ に名を残している大賀一郎先生は、東大の出身で理学博士の称号も東大から授かっています。その縁もあって、千葉市旧検見川町の発掘地に隣接していた農学部附属緑地植物実験所で、1965(昭和40)年ころから観賞用ハスの収集と栽培が始められました。その後、観賞用ハス品種の書物を執筆したり、新たな品種の育成にも取り組んできました。2010(平成22)年には、西東京市にあった附属農場とともに改組され、新たに設立された生態調和農学機構となり、ハス見本園も検見川から田無キャンパスへ移転し、今日に至っています。一般公開等を通じた観賞用ハスへの理解を促す活動も、教育研究機能とともに強化していく予定です。 |
コレクション ― Collections
200種を超える品種コレクションのうち見学可能な一部を紹介します
大灑錦 Taisaikin 花弁100枚前後、花径18~25cm。花弁は白地で紫紅の斑が入り、表と裏の紋様は違う。花つきは良い。花態は碗状。雄ずいは時に弁花する。雌ずいもまれに泡化すこともあるが結実はよい。北京植物園から1995年に導入され、八重の斑蓮品種の存在が確認できた | |
淀姫 Yodohime | |
アメリカ黄蓮 American/Yellow lotus (Nelumbo lutea) 分類学的にはハスとは別種のキバナハスになる。ミシシッピ川流域から南米北部に自生。花は黄色で花托や雄ずい、雌ずいも黄色。花径は23~26cm。花弁は18~22枚で細長く、閉じるときねじれながら閉じる。開花3日目には花弁が落ちてしまうこともある。花柄120cm、葉柄100cm。葉の上面は滑らか。日本の気候や土壌に合わず、腐敗病に罹りやすいため、土壌管理や植替えを毎年行なう必要がある | |
琴台歌手 Kindaikashu | |
一天四海 Ittenshikai 花弁15~19枚、花径25~28cm。花弁はやや幅広で大きく、白地に縁などに紫紅色の斑が不規則に現れる。花弁の表裏で斑の位置が違う。花柄140cm、葉柄120cm で花柄が長い。葉面はざらつく。花期は7月上旬~9月上旬 | |
紅万々 Koumamman | |
白万々 Hakumamman | |
嘉祥蓮 Kashoren | |
ネール蓮 नेहरू (Nehru) lotus | |
千弁蓮 Sembenren 1995年中国湖北省当阻玉泉寺から導入。外弁は咲き始めが薄桃色で開花が進むと中心から濃紫紅の花弁が現れる。花托が分岐して2~5個位になることもあるし、分岐しないで咲く場合もある。花弁は2000~4000枚。花柄100cm、葉柄90cm。葉はざらつく。日本のˋ妙連ˊと共通した特殊な花の形態を持つが、ˋ妙連ˊは葉の上面が滑らかな点が異なる | |
緋雲千葉 Hiunsenyo |
ハスとスイレン 少し前までハスとスイレンは共にスイレン科で、いわば兄弟姉妹の間柄でした。ところが最近では、植物を分類するときに形だけでなく遺伝子などの進化を含めて分類するようになりました。結果、スイレンは比較的古代の植物とされ、スイレン目スイレン科スイレン属などに分類されました。一方、ハスは比較的新しい植物の仲間で、ヤマモガシ目ハス科ハス属に分類されました。ヤマモガシ目にはチョコレートで有名なマカデミアなどが属しているヤマモガシ科や、プラタナスなどが属しているスズカケノキ科があります。つまり、ハスとスイレンは他人の関係になり、マカデミアやプラタナスと親戚関係になったのです。どうやら、遺伝子は見た目とは相当違うようです。 |
スイレン European white waterlily (Nymphaea alba) |
アクセス ― access
交通案内
生態調和農学機構(最寄り門)まで
- 西武新宿線 田無駅 北口徒歩8分
- 西武池袋線ひばりヶ丘駅 南口から
- 自転車でお越しの場合は生態調和農学機構の駐輪場または指定場所をご利用ください
- お車での来園はご遠慮ください(身体に障がいのある方・団体来園者用バスを除く)
- 生態調和農学機構最寄り門からハス見本園まで約200mあります
お問合せ先など
お問合せ先
- 東京大学 大学院農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構 事務室
- 住所:〒188-0002 東京都西東京市緑町一丁目1番1号
- Email:admin@isas.a.u-tokyo.ac.jp
- TEL:042-463-1611
- FAX:042-464-4391
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シンボルマーク
- 東大ハス見本園発祥組織の緑地植物実験所の頭文字 ˋrˊ をハスの花弁と花托で表現しています