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2019.08.08研究成果

ヒアリの侵入に市民はどう反応したか? 大量のウェブ検索データから見る侵略的外来種への関心の時空間的変動

【原題】 Spatio-temporal dynamics and drivers of public interest in invasive alien species

 

発表者

深野 祐也 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構 助教) 【筆頭著者・責任著者】

 

発表のポイント

  • 侵略的外来種に対する市民の関心がどのように時間的・空間的に変動し、その変動に何が影響するのかを、インターネットの大量の検索データを解析することで定量化しました。日本の侵略的外来種31種を対象に解析した結果、外来種の発見報告や外来種の分布、外来種の危険性、メディアによる報道などが検索量に影響することが分かりました
  • これまで、生物や環境に対する市民の関心を調べるには、労力・費用のかかるアンケートが主な手段でした。本研究は、インターネットの検索データを用いることで、生物への関心の動態とそれに与える生態・社会的な要因を国土スケールで明らかにすることに成功しました
  • 侵略的外来種を抑制し被害を軽減するためには、専門家だけではなく、一般市民の方々の外来種の侵入・駆除に対する関心や協力が不可欠です。本研究では、外来種に対する市民の関心を簡易的に、大規模かつ経時的に把握する分析手法を提案しました。この手法は、さまざまな環境問題に関わる行政や市民団体、研究機関にとって、より効果的な普及啓発や広報活動に役立つ可能性があります

 

詳細は 東京大学大学院農学生命科学研究科プレスリリース をご覧ください。

 

発表誌情報

Yuya Fukano, Masashi Soga. 2019 Spatio-temporal dynamics and drivers of public interest in invasive alien species. Biological Invasions

URL: https://doi.org/10.1007/s10530-019-02065-y