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2019.11.29研究成果

植物の寝起きが良くなる光照射法 -全身に光を浴びることが植物の光合成効率を改善することを発見-

【原題】 Whole Irradiated Plant Leaves Showed Faster Photosynthetic Induction Than Individually Irradiated Leaves via Improved Stomatal Opening

 

発表者

矢守 航 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構 准教授) 【責任著者】(研究当時:東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻 准教授)

 

発表のポイント

  • 光合成能力を最大限に発揮するまでのウォーミングアップにあたる“光合成誘導”の時間を比較したところ、全身に光を浴びる植物個体では、葉一枚のみに光が当たる個体に比べ、所要時間が短縮されることを発見した
  • 個体内で光の当たる葉の枚数が増加するにつれて、光の当たった葉の通気口である気孔がすばやく開き、光合成誘導の時間が短縮された。変異体を用いた解析から、光の当たる葉の枚数の増加にともない、葉一枚あたりの気孔閉鎖ホルモン・アブシシン酸の量が減少することが示唆された
  • 本研究成果は、個体の中でも一枚の葉のみを対象とした従来の光合成研究に対する警鐘となるとともに、植物工場などにおける光照射法の最適化にも貢献する

 

詳細は 東京大学大学院理学系研究科プレスリリース をご覧ください。

 

発表誌情報

Shunji Shimadzu, Mitsunori Seo, Ichiro Terashima and Wataru Yamori. 2019 Whole Irradiated Plant Leaves Showed Faster Photosynthetic Induction Than Individually Irradiated Leaves via Improved Stomatal Opening. Frontiers in Plant Science

URL: https://doi.org/10.3389/fpls.2019.01512