ニュース

2016.04.15研究成果

ケイ酸カルシウム施用による酸性土壌のアルミニウム毒性の軽減

【原題】 Alleviating aluminum toxicity in an acid sulfate soil from Peninsular Malaysia by calcium silicate application

 

発表者

Elisa Azura Binti Azman (東京大学 大学院農学生命科学研究科 博士課程)【筆頭著者】

二宮正士 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構 教授)【共著】

 

発表の概要

 酸性土壌の圃場では交換性アルミニウムが存在し、作物の生育への影響が問題となっています。ケイ酸カルシウムの施用は、アルミニウム毒性を軽減する有効な手段と言われています。本論文では、酸性土壌水田でのケイ酸カルシウム施用の効果を検証しました。施用の結果、土壌pHは2.9から3.5に改善し、交換性アルミニウムは4.26 cmolc kg−1からイネの生育に影響が少ないレベル(0.82 cmolc kg−1)にまで減少しました。さらに、施用により収量が増加したため、施用コストを上回る利益を得ることが出来ました。今後、ケイ酸カルシウムの施用がマレーシアの農家圃場で普及し、農家の収入改善に貢献すると期待されます。本研究は、東京大学とUniversiti Putra Malaysiaの共同研究で行われました。

 

発表誌情報

Elisa, A. A., Ninomiya, S., Shamshuddin, J., and Roslan, I.: Alleviating aluminum toxicity in an acid sulfate soil from Peninsular Malaysia by calcium silicate application, Solid Earth, 7, 367-374, 2016

URL: http://www.solid-earth.net/7/367/2016/