ニュース

2016.02.23研究成果

東北タイの水不足が多発する水田におけるイネ収量とリンの吸収

【原題】 Grain yield and phosphorus uptake of rainfed lowland rice under unsubmerged soil stress

 

発表者

山岸 順子 (東京大学 大学院農学生命科学研究科 附属生態調和農学機構 准教授) 【共著】

 

発表の概要

 タイ王国東北部にあるウボンの天水田において、湛水がないときのイネの収量とリン吸収との関係について行った研究です。現地のウボンラチャタニイネ研究セ ンターのスタッフと、東京大学、国際イネ研究所(フィリピン)、京都大学、東北大学の共同研究の成果です。湛水はしていないけれども土壌中には水があったことから、イネがしおれたり、葉 が巻いたりすることはありませんでした。しかし、湛水している水田に比べて、イネの生育は劣り、収量は47%も低下しました。それは、主にリン吸収量が減 少したためであることが示されました。この地域では、湛水する水が不足した時に、根が土壌中からリンを吸収することが難しくなっていました。リン栄養を改 善することが収量増加に重要であることがわかりました。

 

発表誌情報

Y. Kato, R. Tajima, A. Toriumi, K. Homma, N. Moritsuka, T. Shiraiwa, J. Yamagishi, P. Mekwatanakern, V. Chamarerk, B. Jongdee 2016. Grain yield and phosphorus uptake of rainfed lowland rice under unsubmerged soil stress. Field Crops Research

URL: http://dx.doi.org/10.1016/j.fcr.2016.01.004