ニュース

2010.04.01お知らせ

生態調和農学機構が誕生いたしました

東京大学大学院農学生命科学研究科附属生態調和農学機構が,2010年4月1日に誕生しました。従来の附属農場と附属緑地植物実験所を改組し,同じく演習林田無試験地の教育研究機能を組み入れて生まれたものです。生態調和農学機構は,生態系と調和する農林業と社会のありかたを探求することを目的として,耕地・緑地・林地からなる西東京フィールドで農学教育研究を進めます。

生態調和農学機構の教育研究は,情報・社会,農林生態系,生物・物質循環の3つの研究領域で行われます。農林業について,従来の農学が生産を重視しがちだったのに対して,生態調和農学機構では,生産を支える生態系のさまざまな機能や,社会が享受する農林業の多様な価値にまで視野を広げます。そして,将来の持続的社会で果たす,農林業と農山村の役割を追究します。

生態調和農学機構では,附属農場における禁止農薬使用問題の反省に立ち,徹底した農薬管理と生産履歴記録などを通して,良好なコンプライアンスと透明な組織運営を実現します。さらに,農林業生産の環境負荷低減や生産物への消費者の安心確保をテーマとした研究を進めることにより,安全で持続的な社会への移行に貢献します。